「中間まとめ」を読んで、これを書いたひとびとの頭のなかを想像してみた。

コンテンツのユーザーは、「著作権者」が正規に流したものだけを「視聴」するだけの存在であるべきだ。コンテンツをダウンロードし、それを加工してアップロードし、さらに誰かがそれをダウンロードして加工してアップロードするような、若い者の楽しみ方などよく知らない。やりたかったら権利者から許諾を取るか、権利者と契約をしているプラットフォームだけでやれ。

著作権の保護とは、制作に金を出した者やコンテンツ流通業者、すなわち「著作者」ではなく「著作権者」の保護である。「著作者」が本当に報われているかどうかは契約の問題で、著作権法のせいではない。法的にグレーなところで、表現者が育ち活躍しているらしいが、法律は法律だ。

違法にアップロードされたものを楽しむことに正当性なんてない。ダウンロードを違法にすれば、「著作権者」の利益は必ず守られる。効果を上げるために刑事罰もつけてしまえ。

海賊版サイトを撲滅したら、正規版がバンバン売れる。でもそれは結局、海賊版が先導して拓いた、ネット経由でコンテンツを楽しむ文化を「海賊」しただけのことだ、などとは考えないことにする。正規版のアクセスが上昇しても、海賊版サイトが新たに獲得してくれたユーザーが流れてきた可能性は除外する。

とはいっても、若い者のすることには、年寄り(委員はすべて大学教員か法曹関係者、男性率92%)の知らないこともあるので、抽象的な懸念や意見ではなく、「確たる事例」を集めたい。

行政手続法で決まっているので、「いちおう意見を聞きました」という、いつものパブコメとは違って、今回のは本当に事例を集めたがっているようにもみえる。

「包括的ダウンロード刑事罰化」が実現してしまわないようにするのは、「いま」しかない。法案が国会に上がってからでは、いくら騒いでも遅い。いまやっているパブコメに意見を送って、こうしたことに影響が出るといった具体的な「確たる事例」を示すのが効果的だと思う

パブコメの締切は1月6日です。