今回のパブコメに出ている文書で衝撃的なのは、右クリックによる保存のほか、スクリーンショット等も刑事罰化の対象になるということだ。

わたしは絵師ではないし(というよりも「画伯」に近い)、ふだん描いたりはしないから知らないことが多いのだけれど、修業中のひとはこんなことをやっていないだろうか。

  • あきらかに模写や二次創作だが、原作の世界観を表現したすばらしい作品をネットでみつける(実は、現行法でもアップロードした時点でだいたいアウト)。
  • 技を学ぶために保存しておきたいと思う。
  • 右クリックやスクショで絵を保存する。←
  • それをトレースしたり、模写したりして、腕を磨く。

いま検討中の案は、上から3番目の行為に、親告罪ながら違法にして刑事罰(2年以下の懲役又は200万円以下の罰金)までつけようというものだ。

それはないよ、もしそうなったら怖くて絵師修業ができないよと思うひとがいるだろうけれど、国の委員会ではそんな萎縮が起きる懸念はないし、それよりも権利者の利益のほうが大事だと片づけられようとしている。(それが権利者の利益になるとは、とても思えないけど。)

いま意見を出さないと、ユーザー側の萎縮効果への懸念等は本当に「ない」ことになる。「包括的ダウンロード刑事罰化」が実現してしまわないようにするのは、「いま」しかない。法案が国会に上がってからでは、いくら騒いでも遅い。いまやっているパブコメに意見を送って、こうしたことに影響が出るといった具体的な「確たる事例」を示すのが効果的だと思う。そんなことになったら、自分は怖くて絵の勉強をやめたくなるだろう、という意見でもいい。

「中間まとめ」には、「パブリックコメント等を通じて、事務局において引き続きユーザー保護が必要となる事例の有無について更なる検証を進めることが適当である」とある。委員会としても事例を広く集めたいのだと思う。それには絵師の卵のみなさんの協力がいるのだ。

パブコメの締切は1月6日です。